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ズームレンズと単焦点レンズの違い

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レンズ交換型カメラに使用できるレンズには、大きく分けて「ズームレンズ」「単焦点レンズ」の2種類があります。

初心者向けのカメラには前者のズームレンズが付属していますし、ズームという言葉から何ができるのかなんとなく想像できるので、どちらが一般的に馴染みがあるのがどちらかと言われれば、ズームレンズになるのではないでしょうか。

じゃあ、もう一方の単焦点レンズって何?ズームレンズとの違いは?レンズを新しく購入するとき自分にピッタリなのはどっち?という疑問がでてくるはず。

そこで今回は、ズームレンズと単焦点レンズの簡単な違いと、それぞれの特徴や使い方を解説していこうと思います。
ズームレンズと単焦点レンズの特徴を抑えておけば、失敗しないレンズ選びができるようになるはずなので、ぜひこの2つのレンズの違いは抑えておきましょう。

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ズームレンズと単焦点レンズの違い

「ズームレンズ」「単焦点レンズ」の2種類のレンズでは、機能や特徴が一長一短でどちらが優れているか、という決め方はできません。
撮影者が撮りたい写真や、実際に持ち運ぶシーンによって使い分ける必要があります。

下の表がズームレンズと単焦点レンズの違いを特徴ごとにまとめたものです。

ズームレンズ 単焦点レンズ
拡大機能 あり なし
明るさ 暗い 明るい
背景のボケ ボケにくい ボケやすい
細かな画質 少し荒い きめ細やか
大きさ・重さ 大きく重い コンパクトで軽い
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ズームレンズの特徴

レンズの名前に2つの焦点距離(単位mm)が記載されているレンズを「ズームレンズ」と言います。
(例)EF 24-70mm F2.8L IS USM、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR

拡大機能がある

ズームレンズを使う最大のメリットが、この拡大機能(ズーム)です。
レンズを交換すること無く焦点距離を変えられるため、室内などの狭い範囲をすべて写真内に収めたり、遠くのものを拡大して撮影したりと、1台で複数のシーンに対応できるのが特徴です

レンズごとの焦点距離の幅の中でなら、1mm単位で自由に焦点距離を変えられるので、あとほんの少し被写体に寄りたい、というときでも微妙なフレーミングができるのもズームレンズを使うメリットと言えるでしょう。

運動会やペットの撮影など、被写体との距離がどんどん変化してレンズの交換タイミングがないときに重宝します。
また、1台で幅広い範囲の写真を撮影できるため、荷物を少なくしたい旅行にもピッタリです。

明るさは少し暗めで背景がボケにくい

ズームレンズはレンズの中にズーム機能を持たせる必要があることから、内部がかなり複雑な構造になっているために、レンズ先端から入ってきた光がカメラ本体に届くまでに減衰してしまいます。

太陽の下などの明るい環境では全く問題ありませんが、間接照明の室内や夜の暗い環境ではシャッタースピードを遅くしなければならず、手ブレの危険性が増えてきます。

最近では手振れ補正の機能が強化されてきているのでマシにはなっていますが、被写体が動くことでブレてしまう「被写体ブレ」のほうは避けられません。

また、ただでさえズーム機能を持たせることで複雑になりがちなズームレンズですが、背景をボケさせるためにはレンズそのものを大きくしなければなりません。
レンズが大きくなる=コストが上がる&レンズが重くなるので、基本的にズームレンズはボケにくい設計になっています。

もちろんボケやすいズームレンズもありますが、価格がレンズだけで20万円を超えてくるので、相当な気合いと覚悟がなければ購入まで至ることはないでしょう。

細かな画質は少し荒い

ズームレンズはレンズ本体の中に複数のレンズ(湾曲したガラス)を組み合わせ、それらを動かすことで拡大機能を実現しています。
このとき使用するレンズの数が多ければ多いほど、レンズの端、つまり写真の端に写ったものが荒くなります。

カメラ本体のプレビューでは気づきにくいくらいの細かい画質の問題なので、スマホサイズの画面で見たりL版プリントではほとんど分かりませんが、写真を大きくトリミングしたいときなどにはかなり影響してきます。

大きく重い

レンズ内部がどうしても複雑な構造になってしまうズームレンズは大きく、重くなります。
長時間歩いて移動したりすれば疲れますし、人ごみの中をカメラむき出しで持ち歩く場合には人にぶつかる可能性もあります。
ズーム機能があるおかげで持ち出すレンズは1本で済みますが、単体でも大きく重いというデメリットもあります。

どんな時に使える?

  • 子供、ペットなどの動きものの撮影
  • 運動会やスポーツ観戦など、撮影場所が固定で被写体に近づけない撮影
  • 撮影のときまで、被写体までの距離が事前に把握できない撮影
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ズームレンズのメリット・デメリット

メリット

  • 被写体に近づかなくても大きく写せる
  • レンズの本数が少なくて済む
  • レンズの交換の手間が少ない

デメリット

  • レンズが暗い
  • 背景がボケにくい
  • レンズが大きく重い

単焦点レンズの特徴

レンズの名前に1つの焦点距離(単位mm)が記載されているレンズを「単焦点レンズ」と言います。
(例)EF 50mm F1.4L USM、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

拡大機能がない

単焦点レンズにはズーム機能がありません。
被写体を大きく撮影したいときには焦点距離の長いレンズに交換するか、撮影者自身が被写体に寄る必要があります。

そのため、撮影場所が限定的で被写体に近寄れない撮影や、レンズを交換する時間的な余裕のない撮影には不向きです。
また、たとえば50mmと85mmの単焦点レンズを持っていても、55mm、70mmといった細かな画角での撮影はできません。

抜群に明るく、背景がボケやすい

単焦点レンズはズーム機能がなく不便な反面、レンズ本体の設計がシンプルにできることから、レンズを通した光が抜群に明るくなります。
明るく写せるということはシャッタースピードが速くても被写体の明るさを確保できて、手ブレ、被写体ブレが抑えられるメリットがあります。

さらに使用するレンズの枚数が少なく、レンズ自体を大きくしてもそこまでコストが上がらないため、背景がよくボケるレンズが作れます。
普段から何気なく見ている景色でも、単焦点レンズを通したボケた写真はとても雰囲気があるものに仕上がります。

画質は細部まできめ細やか

単焦点レンズはズームレンズと違い、一つの画角に対しての画質を追及して開発すれば良いうえに、レンズの枚数が少ないことから設計が難しくないため、安いコストで高級ズームレンズ並みの画質を得られます。
細部までシャープに、きめ細やかい描写の写真を求める場合、同じ価格なら単焦点レンズのほうがずば抜けています。

小さく軽い

レンズ内部の設計がシンプルになっているため、レンズ本体がとにかく小さく、とにかく軽いです。
とくに最近ではパンケーキレンズと呼ばれる、限りなく薄い単焦点レンズも人気で、軽く出かけるだけの時にでも迷うことなく持ち出せて、1日歩き続けても疲れません。

高性能なオートフォーカスや手振れ補正がつくと少し重くなってしまいますが、同じ機能のズームレンズと比べた場合はまったく違います。

どんな時に使える?

  • とにかく背景をボカしたい撮影
  • 暗い場所での撮影
  • 画質をとことん求めたい撮影

単焦点レンズのメリット・デメリット

メリット

  • レンズが明るい
  • 背景がとてもボケる
  • レンズが小さくて軽い

デメリット

  • 荷物がかさばる(複数の焦点距離を使いたいとき)
  • 被写体に近づけない撮影には向かない

まとめ

ズームレンズと単焦点レンズはレンズ本体のサイズからボケまで、メリットデメリットの両方があります。
どちらが優れているか、ということではなく、自分の撮影シーンに合うのはどちらか、という点で選ぶようにすると良いと思います。


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